「夢中」についてのダイアローグ

対談

多屋光孫 M)今日は「む」むと言えば、最近夢中になってることある?

濱中伸幸 N)そうね、強いて言えば、いろんな生成A Iにいろんな質問して回答を比べて遊んでる。

M)最近いろんなの出てるよね。

N)そう、性能も良くなってるのと、答えに対して次の質問も提案してくるのがあって、ハマってる。生成A Iとのチャットで言葉の定義や意味を質問するようになって、改めて自分の無知を知るって感じ。

M)確かに性能も良くなっているね。というか進化が早いね。

N)そう、今までぼんやりとしていた概念とか、考えがクリアーになる感じ。最近でいえば、所有価値と存在価値の違いなんかを聞いて自分の考えがまとまった。要は物を得ることの喜びは一瞬だけど、自分自身の存在を高めるような経験や体験にお金を使うことのようがより豊かだなあと考えるようになった。

M)そうね、まさしく夢中と繋がるね。夢中になれるって、時間を忘れるくらいのことだからね。

N)ビル・パーキンス『D I E  W I T H  Z E R O』の本でも人は皆知る時が一番お金もちだから、もっと若いうちに経験や体験にお金を使いましょうって。思い出にも複利効果があるとまで書いている。そういう意味でももっとみんな本当にやりたかったこととかを見直して、もう一度チャレンジするのもいいかもね。
まさしく4月開講のアート寺子屋はピッタリハマるね(笑)

M)ありがとう!
このアートの寺子屋って僕だけじゃなくて「まえの美佐」さんや他にも何人か手伝ってもらいながら進めていくのだけれど、単に新しいことを教わるというのじゃなくて、僕が持っているノウハウやスキルをみんなに伝えながら、参加者の皆さんからもいろいろもらいつつ共有する場になればいいなと考えている。参加すること自体が楽しい場。そういう場になれば面白いと思う。


M)48歳で絵本作家としてデビューして活動をするにおいて考えたのが、美大を出て絵の訓練をしこたまやっている人たちに追いつき追い越すにはどうすれば良いかってこと。そこで考えたのがデジタルとアナログの掛け合わせ。
他の人がやっていない新しい切り口で絵本をつくること。何層にもデジタルデータを重ねて作る絵の創作に夢中になって取り組んだ。デジタルツールを使ってアナログ表現をするという隙間に取り組むことで、遅くにデビューした差を詰めることができたんじゃないかと思う。

N)デジタルを使ってアナログ表現は手法だけど、多屋さんの描く線や構図、色合いは独特の世界観を有して光を放っている。これが魅力だよ。

M)ありがとう。ChatGPTみたいなものも、距離を置くより自分が足りなかったところを詰めるツールとして早くから仲良くしておくのが良いね。

N)もちろん先行者利益ってあると思うね。
話をまた夢中に戻して良い?

M)ああそうそう夢中で喋ってた(笑)

N)何かしらの対価を得るにしても、自分が消費者として何かを買うにしても、夢中になれるものをたくさん持っている人の方が豊かだよね。

M)夢中になれるものを持っているというかオタクっぽいというか、何かに熱量を持っている人にすごく惹きつけられる。その作品にオタク的熱量がじわっと滲み出ているのに共感が芽生える。言葉ではうまく表現できないのだけど、その部分に触れてシンパシーを覚えたり、なんかいいなあって感じたりする。

N)熱量は目に見えないけど伝わるものだよね。

M)あと子供の頃って、夢中になったものって沢山あるよね。それって、今現在のアイディアや自分を形作っているベースになっている気がするよね。ロボコンの絵を描いて切り抜いて箱に入れで、遊びが始まったらそれらを出してテレビの内容を再現したり、いろんな物を紙に描いて切り抜いてストックするのに夢中だったなあ。

N)参加して、絵本作家さんやイラストレーターさんからもらうコメントとかは、とても貴重で価値あるものね。自分なりにモヤモヤしていることも、プロのちょっとしたアドバイスで視野が開かれるような経験をすることもあるからね。そしてまた創作活動が楽しくなる。単なる絵画教室ではないカジュアルさが受ける気がするなあ。意外とっていうとアレだけど、流行ると思う。

M)この間、紙芝居を作っているおばちゃんが「これ見てください」って、作った紙芝居をたくさん持ってきたのを見たの。もちろんツッコミどころはあるものの、その創作意欲と熱量がぐわーっと伝わってきて、「こういうのありですね」って感動した。

N)物を作る喜びは特別感あるから、最近またZ I N E(個人やグループが制作した冊子や印刷物)が流行っているね。

M)そうそう、えーほん展も今年31回目を迎えるから、記念にZ I N Eを作ろうって。

N)もう31回もやっているの。すごいね。そのZ I N E楽しみ。なんか自分たちで作ったものを世に問いたいというか、見てもらいたいという気分が強くなっているね。

M)そういう意味でも、アート寺子屋は新しい価値を生む可能性がある。

N)アート寺子屋のメニューで思ったのが、With AIという切り口。文章が苦手とか絵は好きだけど思うように描けないとかいう人も生成A Iを使って創作できる時代だからね。

M)それそれ!今、例えばChatGPTのマニュアル本とかも、すぐに陳腐化するほど進化が早いから、新しい機能を使った解説を共有する場としてもアート寺子屋が役割を担えば最高だよね。

N)新しい技術をすぐに受け入れる人とそうではない人って必ず分かれるけれど、時間が経てばスマホみたいにほぼ全員が使っている状態になりそうな勢いあるね。

M)この会話で今思ったことを話して良い?

N)どうぞ!

M)48歳で絵本作家としてデビューして活動をするにおいて考えたのが、美大を出て絵の訓練をしこたまやっている人たちに追いつき追い越すにはどうすれば良いかってこと。そこで考えたのがデジタルとアナログの掛け合わせ。
他の人がやっていない新しい切り口で絵本をつくること。何層にもデジタルデータを重ねて作る絵の創作に夢中になって取り組んだ。デジタルツールを使ってアナログ表現をするという隙間に取り組むことで、遅くにデビューした差を詰めることができたんじゃないかと思う。

N)デジタルを使ってアナログ表現は手法だけど、多屋さんの描く線や構図、色合いは独特の世界観を有して光を放っている。これが魅力だよ。

M)ありがとう。ChatGPTみたいなものも、距離を置くより自分が足りなかったところを詰めるツールとして早くから仲良くしておくのが良いね。

N)もちろん先行者利益ってあると思うね。
話をまた夢中に戻して良い?

M)ああそうそう夢中で喋ってた(笑)

N)何かしらの対価を得るにしても、自分が消費者として何かを買うにしても、夢中になれるものをたくさん持っている人の方が豊かだよね。

M)夢中になれるものを持っているというかオタクっぽいというか、何かに熱量を持っている人にすごく惹きつけられる。その作品にオタク的熱量がじわっと滲み出ているのに共感が芽生える。言葉ではうまく表現できないのだけど、その部分に触れてシンパシーを覚えたり、なんかいいなあって感じたりする。

N)熱量は目に見えないけど伝わるものだよね。

M)あと子供の頃って、夢中になったものって沢山あるよね。それって、今現在のアイディアや自分を形作っているベースになっている気がするよね。ロボコンの絵を描いて切り抜いて箱に入れで、遊びが始まったらそれらを出してテレビの内容を再現したり、いろんな物を紙に描いて切り抜いてストックするのに夢中だったなあ。あと100円のプラモデルもよく作ったね。


N)ロボダッチ大好きだった。

M)切手集めも好きだったなあ。そういうオタクぷりが満載の時期を過ごしたね。

N)少し話は逸れるかもしれないけど、小学生の低学年の頃に牛の絵を描いて表彰してもらった記憶の話。牛の写生にいって、僕は画用紙いっぱいに牛のお尻を描いて出したら表彰された。それってみんな牛を横から描いている中で、お尻を描いている視点がユニークという大人の視点で表彰されたと思うの。


何が言いたいかというと、もっと見たまま感じたままっていう言葉があるけど、みんな一定の物の見方の枠をはめてしまっている。特に大人は偏見に満ちている。だから、今一度自分の色眼鏡を外して、モノの見方をブラッシュアップすると良いのではという提案。
世間体というか常識というかを疑ってみると意外と新しい気づきが得られると思う。

M)今、「気づき」という言葉が出たけど。「気づく力」が大切な時代だよね。
この絵が好きとか、面白いとかいうのも、自分がそのことに気づいているからだ!
「気づき」ってキーワードは今後使えるな(笑)

N)夢中になっていることに気づくと新しい自分に気づくきっかけになる。

M)夢中になれる大人が集うアート寺子屋にしたいね(笑)


【会話の主】 登場人物

多屋 光孫(たや みつひろ)絵本作家・挿絵画家。和歌山県田辺市出身。3歳より田辺市の洋画家、故益山英吾氏の洋画研究所で絵を学ぶ。実家は本屋(南方熊楠ゆかりの多屋孫書店)。2015年8月まで二十ん年、普通に会社員(海外営業・広告宣伝など)をやっていたが脱サラし画家活動を開始。一般社団法人 日本出版美術家連盟理事(事務局長)

濱中 伸幸(はまなか のぶゆき) ブランドクリエイター。和歌山県田辺市出身。実家は紳士服店。元百貨店婦人服バイヤー。2011年株式会社ハッピーアイ設立。HAPPYEYEブログ、エンカラージオンラインショップ企画運営。

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