「変」についてのダイアローグ

対談

多屋光孫 M)今日はへ。だいぶ進んだね。へぇ(おなら)、変とか。

濱中伸幸 N)変なもの?

M)変ってなんだろう。それを探っている気がする。人をあっと言わせてやろう。
びっくりさせてやろう。ひっくり返すとか、、、変だけどかっこいい。変プラス綺麗とか。

N)まだみたことのない変だね。僕がイメージしたのは変化の変。ビフォアー・アフター。
ライザップじゃ無いけど、サービスを受ける前と受けた後。
商品と買う前と買った後のお客様の気持ちの変化。

あと自分自身の変化。
行ったことのない所に行く、食べたこと無いラーメン。
新しい経験、体験による変化。

M)それもあるね。
例えば、今この格好で江戸時代にタイムスリップしたら、「なんだあれは」って指さされる。
僕の服を変に思うだろうけど、実は機能的で実用性に優れた服に進化している。

でも知らない人にとっては、未知のものに対する反応は拒絶感というか受け入れるのに抵抗があると思う。
これは今の世の中になっても同じことだよね。

新しい思考とか周りの人間とは違った考えを持つ人間に出会った時なんかは、「あいつ変なやつ」ってネガティブに評価する。
でも実はそれらがイノベーションを起こすきっかけになる場合もある。
変という言葉は一見ネガティブワードのように思うけど、変革を起こすきっかけとしてポジティブな意味も含んでいると思う。

 後は自分がやっている多様性みたいなものもそう。
多様性という言葉は今となってはポジティブワードだけど、昔はマイノリティー扱いで排除していく考えがあった。

N)そうね、言葉の捉え方も時代によって変わるよね。

M)マイノリティに関して言えば、ボヘミアン指数とゲイ指数があって、世界で発展している都市はボヘミアン、いわゆるアーティストの数が多いと言われている。

それとドイツの学者が言っているゲイ指数。ゲイとかレズビアンとか今で言うL G B Tが多い都市は世界的に発展している。
ニューヨークとか日本でいえば東京新宿なんかがそうだよね。

多様性とかその変化とか色々な価値観を受け入れることによって、世の中はイノベーションだったり最先端のものを獲得して発展していく。


N)異端と言われるものが、同質的な中に入ることで全体が活性化する感じ。

M)それと、変化し続けるはいい意味で変なものを受け入れるということだからすごいポジティブだよね。
変というテーマはスルスル言葉が出てくるね(笑)

N)変化、変革、チェンジ、イノベーションってアーティストが普段から心の中にあるワードなんだろうね。

M)新しいものに触れること、真似てみること、新しいものを取り入れる姿勢ってすごく大切だよね。価値観だけでなく人生観とかものの見方考え方にすごく影響する。
自らの変化を恐れずに、どんどん挑戦するって意味のあることだと切に思う。

「チーズはどこに消えた?」の話だよね。早い時期に小さな変化に気づくことができれば、やがて訪れる大きな変化に対応できる。恐れず行動できるか諦めるかによって結果は大きく異なる。

どの時代も変化していくのは、新しいもの未知なものを探究していく人間の営みだね。

N)そうね。ちょっと別の視点からごめんね。昔、二人でロボダッチのプラモデルを一緒に作って遊んでいたけど、あれから50年経って今はS U K K I K A T T E (好き勝手)Tシャツを一緒に作って遊んでいるのは変わらないなあと。
変わるの変と変わらない変があるよね。


M)そこはやっていること変わってないね(笑)
まあでも、何かを作るっていう根底は変わっていないけど、50年経ってお互い大きく変わっているよ。
根底にあるものを進化(変化)させているという意味でね。

N)二人でこうやって対談して、その中でいろんな企画が生まれ美術館に出かけたり、実際にTシャツ作ってマネタイズしたり行動に移せているって不思議かつ貴重だね。

M)ようやく、やりたいことがやれつつあるのかもしれないね。
別に比べてどうのこうのは無いけれど、現状維持というか変えたくない層もいる。

N)それは人間の本能というか、一度つかんだ安定を離したくないをいう気持ち。
新しいことや未知のことに挑戦するのは不安と恐れがあるからね。

M)少し話題を変えるけど、、、最近は、韓国の戒厳令、トランプ大統領の再選、日本国内の政治の混沌とかをみていると、どっちに着くのが正しいという時代じゃなくなってきている。

N)それに関しては今までの体制が時代に合わなくなってきている感じがする。

M)それと最近はタイパとか言って、映画とかビデオとかを1.5倍速で見て内容を理解するだけっていう。作り手の思いとかを考えるとどうかと思うけど時間に対する感覚の変化がいっせいに始まっているのかもしれない。

新しいものの変化に流される。やっぱりもっと変化を求める。従来のものを守るための変化。色々ある中で変わる「変化」って必要。

N)本能寺の変じゃないけど、S U K K I K A T T Eの変。

M)好き勝手の変を起こす!あっ、今日はまとまったね(笑)

S U K K I K A T T E  Tシャツ 新宿ボヘミアン


【会話の主】 登場人物

多屋 光孫(たや みつひろ)絵本作家・挿絵画家。和歌山県田辺市出身。3歳より田辺市の洋画家、故益山英吾氏の洋画研究所で絵を学ぶ。実家は本屋(南方熊楠ゆかりの多屋孫書店)。2015年8月まで二十ん年、普通に会社員(海外営業・広告宣伝など)をやっていたが脱サラし画家活動を開始。一般社団法人 日本出版美術家連盟理事(事務局長)

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