「反骨」に関するダイアローグ

対談

多屋光孫 M)今日は「は」HAPPY

濱中伸幸 N)ハッピーは前回の「のんびり」で色々と対話したから違うのプリーズ

M)そうか、じゃあ「晴れ」「はにかみ」「半導体」「覇気」はきはワンピースの、、、

N)ごめん知らない。「はみ出す」

M)お腹もはみ出てきた!常々はみ出したいとは思いつつ、今までの人生何やかんやそれなりにまとまった感がある。もっとはみ出さないとね!
「はみ出す」はどう?

N)これもこの間「抜きん出る」で対話した内容と似てしまうよ。

M)じゃあ、「反骨精神」
体制に逆らうことは反骨になるのかな?

N)どうだろう?日本では大規模なデモって無いし、フランスみたいにしょっちゅうストライキをやる国でも無いからね。政治の裏金問題なんかも有耶無耶になってしまっているのは、大衆が冷めた目で世の中を見ているような気がする。この発言自体が投げやり感あるかもね。

M)家の近くで沖縄の辺野古基地反対運動をやっている人たちの集団行動があったりするけれど、訴えている人たちもおとなしめで、そこまで激しく抗議をしている感じもなくて(もちろん皆さん熱心に活動されていると思います)一つの風景になってしまっているね。

N)言葉を選ばず言ってしまうと、予定調和的なのかもしれないね。役割を演じているという意味では、プロレス。ちょっと言い過ぎかもしれないけれど。

M)プロレス。反骨精神という言葉の持つ意味が成り立たなくなってきているのかな。昔のヤンキーなんて、今やパロディ化しているよね。


N)僕らの中学時代はヤンキー文化真っ只中だったけど、あれは何だったんだろう。

M)中学生は今も反抗期に当たる年代だけど、集団というか全体感が、あそこまで染まってしまうことはもう無いよね。
まあ、姿かたちからして、ファッションだったんじゃない。

N)横浜銀蝿とか。なめ猫とか。

M)なめ猫はパロディ要素が入っていたね

最近のドラマで言うと『今日から俺は』を家族みんなで見てたんだけど、
テレビの中の世界の物語であって、実際はほとんどああいう人を見かけることは無いね。

N)中学生時代は、本当に隣の学校との決闘みたいなのとか、不良の先輩が気に食わないやつを鉄パイプで殴る真似をして脅す的なことが目の前で繰り広げられていた。ある意味、ドラマ以上に見応えあるシーンがいっぱいの中で育った気がする。

M)悪い奴おったなあ。

N)ああいうのは、いつの時代に収まったんのだろうね。自分が大人になっていくうちに中学生の格好がどんどん普通になっていった気がする。大きくは平成バブルが弾けた頃からかな?

M)いやグラデーションで残りつつも、ある日突然、ああいうのはダサいとなってしまったのだと思う。その後、ガングロとかルーズソックスとかの流れになった。

N)ヤマンバみたいなメイクの女の子が突然出てきたのはびっくりしたね。

M)異様なものが突然現れてすぐ消える「ファド」

N)ファド、ファッション、ステープルのファドだね。ファッションという流行になる前に消えてしまうファド。ということはヤンキー文化はファッションまでいったってこと。

M)当時よく言われたのが、「新人類」今となっては死語だけど。

N)僕らより上の世代だけど、「たけのこ族」とかあったね。

M)その後、一世風靡とかが出てきて「ソイヤソイヤ」ってやってた。当時のファッションって今見ると相当恥ずかしい感がある。

N)みんな肩パット入った服着てた(笑)ヤンキーじゃ無いけど、どおくまんプロの漫画とかあったね。

M)花の応援団とか。

N)漫画雑誌で言うと「チャンピオン」

M)そう考えると、それぞれの週刊漫画雑誌ってマーケティングができていたんだね。明らかに読者層が違うね。

N)ジャンプ系の勢力拡大に伴い、チャンピオンが衰えて、マガジンもサンデーも萎んでしまったのかも。まあヤンキー文化の衰退とも関係しているのかもね。

M)ジャンプでも男一匹ガキ大将とかあったけど、古臭くなっていった。あと「俺の空」とか。

N)本宮ひろし。「静かなるドン」は?

M)あれはヤクザ漫画。ヤクザの表現も外レートにはできなくなってしまったね。

N)大きな声でヤクザというのも憚れる時代になったね、その筋の人とか、反社の人なんて言い方をするようになっている。極道の妻なんかも、今はもう流行らない。

M)今やパロディ化してる。

N)消費者金融のコマーシャルとか。

M)「そこに愛はあるんか?」
最近はヤクザ自体が得体の知れないものとして描かれるか、パロディとして描かれるかのどちらかになっている。

N)反骨じゃなくて反社の話になってしまっている(笑)
辞書で調べると、反骨精神」の「骨」には「人柄」「気質」という意味があって、「反」には「反対」「反抗」という意味がある。
反骨精神の持ち主は、自分の考えや信念をしっかりもっていて、たとえ周囲が「仕方ない」と割り切っていたり諦めていたりするようなことであっても、周りに流されず信念を貫く。

M)社会全体を覆う空気は長いものには巻かれろ。出る杭は打たれる。

N)和をもって尊しとなすから始まっているから?

M)聖徳太子は反骨じゃない人だったのかも。

M)でも反骨ってネガティブな意味に受け取る人もいるけど、自分の信念を貫いて頑張れ!っていうメッセージでもあるよね。

N)少し話が逸れるけど、今は大きな物語が崩れている時代。終身雇用や年功序列の崩壊。組織にしても自民党や公明党の与党の悪さとそれを追求しきれない野党、どちらも支持できない無党派の人々が増大。世の中の体制自体が揺らぐ中、個人が自分の信念をどのように描いて生きていけば良いかわからなくなってしまっている。
だから、大谷選手の二刀流の活躍みたいな今までの常識を覆す物語に心頭する。

M)まあ、お互いサラリーマンという生き方から脱して、自分の信念を貫く生き方の道を辿るようになったのは良かったよね。僕の場合は作品を世に出す側に回れたのも良かった。

N)消費するだけじゃなくて、生み出す側にいるからね。

M)もっと「好き勝手」に生きてもいいんじゃないというコンセプトのTシャツも反骨精神の現れとも言えるね。

N)「好き勝手」を貫きましょう!


【会話の主】 登場人物

多屋 光孫(たや みつひろ)絵本作家・挿絵画家。和歌山県田辺市出身。3歳より田辺市の洋画家、故益山英吾氏の洋画研究所で絵を学ぶ。実家は本屋(南方熊楠ゆかりの多屋孫書店)。2015年8月まで二十ん年、普通に会社員(海外営業・広告宣伝など)をやっていたが脱サラし画家活動を開始。一般社団法人 日本出版美術家連盟理事(事務局長)

濱中 伸幸(はまなか のぶゆき) ブランドクリエイター。和歌山県田辺市出身。実家は紳士服店。
元百貨店婦人服バイヤー。2011年株式会社ハッピーアイ設立。HAPPYEYEブログ、エンカラージオンラインショップ企画運営。

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