「つき」についてのダイアローグ

対談


多屋光孫 M)今日は「つ」
「つきぬける」「月の裏側」

濱中伸幸 N)「つじつまがあう」

M)あっ、それいつもやってる(笑)

N)月とスッポン
月とは違ってツイテルの「ツキ」

M)ツイテいるで言えば、とってもツイテるなあと思う時と、何をやってもアカン時と極端に出る気がする。
他の人はどうか知らないけれど。
何をやっても「気分はロケット花火やー!」って時もあるけど、全く真逆の時もある。

N)「気分はロケット花火」いつものセリフ出たね(笑)

Sukkikatte Tシャツ気分はロケット花火 バージョン


今思えば、あの時ツイテたなあってゆうのあるね。

M)うん、あるある。
自分が注目されて人気があるのを感じる時もあれば、ありとあらゆる人から攻撃されるようなドン底の時もある。そういうのって不思議だね。なぜそんな事が起こるのだろう?

N)運なのか何か、バイオリズム的なものってあるよね。日本語って面白いのは同じ「つき」でも「つきものがとれる」って表現の「憑き」もある。

M)その憑きは魔物だね。

N)ツイテいるで言えば、パチンコとか競馬とか、初めてやった時に割と大きく勝つことがあるよね。
ビギナーズラック。

M)ギャンブルはやらないけど、宝くじを買った時の話。
なぜか30枚買おうとしたんだけど、財布の中に三千円しかなかったので、しかたなく連番で10枚だけ買った。
そしたら20番違いで100万円の当選番号だった。
あー30枚買っとけば良かったなあとも思ったんだけど、神様がわざと外したのかもしれないと思った。
神が俺に「ギャンブルをするな」って、「今後も買うなよ」って戒めやと思った。
それからギャンブルとかは、本気でやってない。
まあ、元々そんなにギャンブルは好きじゃないのだけれど。

N)僕もギャンブルで運を使いたくない。

M)だから大谷翔平の通訳の一平ちゃんはなんか、考えられないことする人やと思うな。
ギャンブル依存症ってホンマに病気なんや。
私自身いろんなものに、のめり込む込むタイプやけど、変なものにはのめり込んだらあかんな。

N)射倖心って嫌だね。(射倖心・・・努力や苦労することなく、利益や成功を願う、偶然の利益を労せず得ようとする欲心。)
子供の頃の話だけど、昔はビックリマンチョコで欲しいシールが出るまで買ったり、瓶のコカコーラのフタの裏をめくってスーパーヨーヨーを当てたいから無理して2本も飲んだりして(笑)

M)それで言ったら、チョコバット。
包み紙にアウトとかヒットとか書いてるやつ。

N)ホームランが出たらもう一本貰える。

M)ヒットは4枚集めたらもう一本。
それで思い出したのが、買う前にバレないようにアウトかヒットかを包み紙をずらして見るやつがいた。
注意されてもしつこくやってるやつがアメリカ屋(駄菓子屋)のおばちゃんにめっちゃ怒られてた。
当たりくじの話から急にアメリカ屋さんの店の中にタイムスリップしてしまった。
これは「ツキ」じゃなくて「ズル」やね。

N)チート。


M)「ツキ」じゃないけど、根拠のない自身というか、全てがうまくいくモードに入っている状態を何度か経験したことがある。
会社員時代、中々うまくいかない案件もそのモードの時は結局うまく進んでいくの。
「ツキ」と言ったら良いのか、何かに守られている気持ちになった。
そうそう、見積価格もそんな時はサッと通ったりしたなあ。

N)運が味方するって表現通りの体験ってあるね。

M)あとは、浄水器を販売するにあたって販売をお願いしたお姉さんがあまり売ってくれなくて、陰から見てて我慢できずに、自ら店頭に立って声を出して浄水器を販売した日のこと。
販売していると何かに取り憑かれたような感覚になって、絶対競合他社より売ってやるって気持ちで販売したら2時間で24台も販売できた。

N)それは凄い話。

M)なんかね、神が降りてきた(笑)あまりに熱心に販売してたら、代理店の営業も一緒になって、、、いつの間にか“浄水器いかがですか体操”をみんなでやってた。
お店の人にも感謝されてめでたしめでたし。

N)浄水器いかがですか体操見てみたい(笑)

M)これ「ツキ」とは関係ない、自分の張り切った自慢みたいになってしまった。

N)でも販売の神様がツイテいた話だよ。

M)他に「つ」で言えば、「月の裏側」どうなってるのかな。
秘密基地があるとか無いとか。

N)月は何かが反射したホログラムで実体は無い説(笑)

M)イヤイヤ、、、それは無いでしょ(笑)アメリカとか中国とか、日本の「かぐや」が月の裏側を写真に撮ってるけど、これも嘘ってことになってしまう。
嘘で言えば、、、これは0歳の時の記憶だけど、世界の人たちが自分を騙しているって本気で思ってた。

N)0歳?

M)0歳じゃないな、1、2歳かな。大人たちが自分の知らない秘密を隠しているんじゃないかって思ってた。

N)その話で言えば、今も僕たちが知らない秘密を隠している大人がいるかもしれないね。

M)他に「つ」は、、、

N)詰(つ)んだ。

M)「漬物石」「釣り」「ツケで払う」「唾をつける」

N)どれも「つづける」のは難しいね。

M)来週に「つづく」

N)ツービーコンティニュー

M)イヤイヤそれはトゥビーコンティニュー

N)「つめきれない」

M)三重の「津」

N)一文字の都市って珍しいね。津は元は「安濃津」だったらしい。

M)和歌山の田辺が「辺」になったようなもの。

N)「たなべ」も「べ」に変えたら面白いね。

M)「つ」はいろんなものを「つなぎ合わせ」ても「つながらず」、、、「つみました」

N)つめが甘かったね。

M)スイートネイル。

N)そんなん初めて聞いた、東京では使うの。

M)爪が甘いっていう造語。

N)続かないね。

M)つらい回でした。


会話の主】 登場人物

多屋 光孫(たや みつひろ)絵本作家・挿絵画家。和歌山県田辺市出身。3歳より田辺市の洋画家、故益山英吾氏の洋画研究所で絵を学ぶ。実家は本屋(南方熊楠ゆかりの多屋孫書店)。2015年8月まで二十ん年、普通に会社員(海外営業・広告宣伝など)をやっていたが脱サラし画家活動を開始。一般社団法人 日本出版美術家連盟理事(事務局長)

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